答えはそこに

























仰向けになったところで兄に兄弟じゃなかったら、俺のことを好きになったかと言われる。

兄弟じゃなかったらどうやって知り会うんだと逆に聞いたら、兄はちょっと考えて、わかんないと言う。

それから、兄弟じゃない俺達なんて俺達じゃないのかと言われたから、当たり前だろとやけっぱちになって言った。

兄は暫く考え込んで、



「そりゃそうだ」



と呟いた。





例えば兄弟じゃなくて兄が父だったら、きっと兄は母のように俺の前から消えるだろう。ああ、それは今でも同じだ。

例えば祖父だったら、…話もしないかも知れない。遠すぎる存在になってそうだ。隣の時子ばあさんみたいに。

例えばどちらかが隣の家に生まれていたら、…想像できない。けど、多分。今より仲が悪そうだ。きっと時音の俺に対する態度よりきつそうだ。もちろん兄の俺に対しての態度がだ。

例えば、例えば。

どんな可能性を考えてもきっと俺は兄のことを意識するのだろうと思った。



けれど、例えば父でも祖父でも兄が弟でも隣人でも。

こうやって上に乗っかってくることはなかったのだろうと思う。

……いや、保障はできないけど。

兄の思考は理解できないから。

だから。



「兄弟だから」

「うん」



呟いた言葉に、兄が耳を傾ける。

そう、意識されると言いにくい。



「…も、いい」

「やだ」

「……」

「兄弟だから俺が好き？」



言いたくないと目をそらすと顎を持ち上げられて、そこにキスをされる。

それから舐められた。



「兄弟ってなんだろうね」

　

ポツリと兄から洩らされた言葉に、ん？と俺は一瞬考えて。



「兄弟は俺とお前と利守だろ」



と言う。

兄はそれを聞いてぽかんとして。



「ああ、なら愛おしくて当然だね」



となんだかおかしそうに言った。















































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例えてみた人が全部女性だったのにびっくり。

どんだけよっしの側の男はよっしに甘いんだ…。

08/02/18


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