わんとは鳴かない
「し、しっぽ掴むなよっ!」
死にかけた妖の最後の抵抗とばかりに同化されかかった良守は、時音ちゃんがその途中で妖を滅してくれたおかげで妖にはならなかった。
けれど、半端なことになってしまっている。
妖は斑尾と同類だったらしく、良守の耳は頭の上にふさっと大きくとがっているし、尾てい骨の当たりから尻尾がはえている。
これで、「わん」とでも鳴けば俺も欲情しなかったかもしれないが、生憎言葉は普段のままだった。
大変だとばかりに呼び出された俺にバカにされるか説教されるかと思って自室に閉じこもった良守への罰という名目で俺は家族の寝静まった夜、良守を捕まえて素っ裸にし、四つんばいにさせている。
耳も尾も黒いのだが、裏側は白く柔らかい毛になっていて、それを逆なですると良守が震えた。
すっぱだかなので当然、変化も丸見え。
「しっぽ、やだってば!」
誤魔化すように大きな声を出した良守の尾の付け根を握れば、ぎゃん、と鳴く。
「なんだ、鳴くんだ」
「っ!うっせ、離せっひっぁ!」
ふ、と耳に息を吹きかけて良守の言葉を封じた。
犬の耳はそうとう敏感ならしく、少し面白くなって中にある毛をさわさわと微妙な加減で撫でると完全に良守のソレが起ってしまう。
「肉球もあればいいのに」
「み、みの、ちかくで、ゃっ」
「なに?耳の近くで話して欲しいの?」
聞き取れなかったフリをして、耳にささやきかけ、尾の付け根をひたすらさする。
時々強く扱けば良守の腕が崩れて布団に顔を突っ伏したので、毛の生えた耳を思いっきり舐めてやった。
「あ、あっ、」
短く喘ぐ良守の先端からは蜜が零れ始める。
それ自体には触っていないのに、耳や尾だけでそんなに気持ちいいのかと思いながら尾の付け根から蕾へと指を這わせた途端、良守は身体を弓なりにして短く叫ぶ。
「はっ、あ…」
「…イちゃったの?」
ぐい、と尾で良守の腰を持ち上げると、小さなそれは良守の胸から顔まで白く汚し、ひくひくと震えている。
いつにない敏感さを目の当たりにして、妖もいいものだと思った自分に苦笑した。
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どーじんしで作りたいなぁと思ってた良守犬化です。いつかできたらいいなぁ。タイトル適当っ(^_^;)
08/05/16
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