禁忌も倫理も解禁で








ん、ん、と良守が噛みしめた喉の奥で声を漏らす。
自分の廻りに張り巡らされた、精巧な作りの結界にその必要はないのだとわかってはいるのだけれど、この結界が壊れたら、と思うと声など漏らすことはできなかったし、結界の中にいるもう一人の人間も聞かせたくない。
そもそも、良守自身だってこんな声を聞きたい訳ではなかった。
それが全て分かっているような顔で良守の弟、正守は苦笑を漏らす。

「頑固者」
「っせ…」
「ホント、そういうところは変わらない」

そう言うと正守は良守の胸元の谷間に顔を埋め、両手でその膨らみをもみほぐす。
昔からなにかと弟を胸に抱き、あやしてきてはいたが、それは性的な意味などなかった。
なのに今されていることに良守は過去を思いだし居たたまれなくなる。
いつからか、正守は良守の抱擁を嫌がるようになっていた。
それは思えば良守の身体が女らしくなってきた頃からだったかも知れない。
ということは、その頃からこんなことを弟は考えていたのだろうか、と自分の鈍さに哀しくなる。

次第に硬くなり、立ち上がってきた乳頭を指でくりくりといじり回され、良守はいやいやと首を振った。
誰にもそんなとこなど触れられたことはなかったし、自分だって意識したことはなかった。
それなのに正守に触られるたびに身体はそれを喜んでいる気がする。
ついに片方の乳頭を口に含まれ、良守の背がしなった。

「やっ!」

ちゅうちゅう、と音を立てて吸われ、良守は正守の頭を押し退けようとするが、とっくに自分より力の強くなった弟には敵わない。
それでもイヤだと繰り返すとやっと正守が胸から顔を上げた。

「もお、なにがイヤなの?」
「だ、だ…って…」

息の荒い良守に正守は憮然とした顔を向ける。正守はこうやって良守の胸を思う存分舐め回し、吸い付き、揉みし抱くことが好きらしく、いつもそれを長々と行う。
前戯にしてもそれは長すぎて、良守はいつもそれだけで息絶え絶えだ。
何より、弟の顔が自分の胸元に埋まっているという様を見るのも居たたまれない。
はあはあと息の荒い良守はそれを訴えるのも恥ずかしくて、何も言えず見下ろしてくる正守を見つめた。
正守はそんな良守の胸を未だ揉みながら、不満を零す。

「ずっと我慢してたんだからいいじゃないか」
「ず、ずっとって!がまんって!」
「一緒に住んでた頃は我慢してたんだよ?両思いなんだから今は、これは俺のでしょ」

これ、と言いながら良守の胸の先を摘んだ弟がやはり随分昔から自分をそう言う目で見ていたと言うことを知り、良守は恥ずかしくなる。
確かに良守は弟のことが好きだ。恋愛感情があるからこうやって抱かれている。
けれども弟を慈しんでいる気持ちは正守が生まれてから変わりがない。
だから、弟にそんな感情を持たせていたと言うことが情けなくもあった。
姉なのに、と。

「姉さんってば成長しても昔のまま上半身丸出しで家の中歩いたり、俺を抱きしめてきたり。俺って結構忍耐強いと思うけど、それって絶対に姉さんの所為だよ?もう、ホント。思春期の男にその胸を見せるなっつーのって何度思ったか」
「や、そ、んなこと、言われても…」
「だから、もう解禁されたんだし好きにさせてよ」

そう言うと正守は再び良守の胸の顔を埋め、舐めたり摘んだり吸ったり跡を残したり好き放題を再開する。
良守にとってはいっそさっさと下半身に関心を移してくれた方が正気も失うし、マシだと思う時間はまだまだ終わらないようで、良守は反撃に正守を思いきり抱きしめ、胸で窒息させてやろうかと考えた。
しかし、それはきっと正守の欲情を刺激するだけだな、と鈍いながらも理解してしまったので、良守は諦めついでに正守の顔を引き寄せて深いキスをした。
















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最後までは書く気力がないです…これはあとでにょたの部屋にUPします。
正守はずっと良子のお乳を吸ってるといいと思います(なんだそれは)。
08/02/01

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