お礼ss紅烈編8





ゆらゆらゆら。

揺れる白い蝋燭。

小さなJack-o'-lantern。

柿で出来た小さな蝋燭立て。












Halloween











『紅麗、これあげる』

烈火の手にあるのは、小さな橙色。

『これは、なんだ?』

『ジャックオーランタンってやつ』

『ハロウィンのか?でもこれはパンプキンではないだろう?』

小さな其れは確かにあのカボチャのように笑った顔が彫ってあったが。

しかし、それはどう見ても小さなカボチャではなく、柿だった。

『いいんだよ。柿でも』

『そうか。ありがたく貰っておこう』

『うん。あ、でもそれやっぱ柿だからさ、31日過ぎたら捨ててな?』

『ああ』











何故か柿で烈火が作った蝋燭立て。

あの怪しげな笑みが、それだけで何故か可愛らしく見える。

お祭り事が好きな烈火だ。

きっと、私と一緒にハロウィンを楽しみたかったのだろう。

けれど、今私はとても忙しくて、それを烈火も知っているから。

これで、我慢したのだ。



別に部屋は暗くないし、蝋燭など必要ないけれど。

もう暫くこのJack-o'-lanternを見ていようと思う。

可愛らしい、烈火のことを思い浮かべて。























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長々と拍手にいたハロウィンの話です…。
ホントすみません…。
季節を二つ越したかわいそうなやつです…。
04/10/30
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