ドキドキドキ。 心臓が、高鳴る。 触っていいか暫し迷う。 手を伸す 俺、自分が面食いって知らなくてさ。 けど、そういや昔から綺麗なモン好きだったなぁとか思い出した。 自然が好きだった。 特に、空。 朝、昼、夕方、夜。 晴れた日は綺麗な空に目を奪われていた。 そして、目の前のオトコ。 正に自然が産んだ綺麗なモノ。 コイツ以上に綺麗なヤツなんて見たことナイ。 惚れた欲目かも知れないけど、やっぱ世界で一番コイツか綺麗。 だから、かも。 自分から触れることに躊躇う。 一番好きだった空は絶対手が届かないモノだった。 好きだけど、見るたびに。 何とも言えない焦燥感とか、いつも湧いて出てきた。 紅麗を見てると、それよりも切なくなる。 でも、紅麗が起きているときはいいんだ。 紅麗から、手を伸してくれるから。 だけど、紅麗が眠ってしまったら。 途端に恐くなる。 この目が次に開いたとき、俺を映してくれるかな。 このまま俺が眠ったら、起きたときもしかして紅麗はいないかも。 触れたら、壊れて跡形もなく消えてしまいそうだ。 そんな、思いで苦しくなる。 だから、いつも。 手を伸しても、触れられない。 そして横顔を見ながら、いつの間にか瞼が落ちて。 気付いたら、夢の中へと旅立ってしまうのだ。 いつか、その白い頬に触れることができるように、と祈りながら。 ---------------------------------- なんで烈火くんを書くと片思い風になるんでしょうね…。 ええいっ 次こそ兄様視点で書きたい!

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